債券は、発行者が投資家に対して一定の金利を支払い、将来的に元本を返済する約束を含む証券です。これにより、投資家は債券を保有することで一定の収益を得ることが期待されます。

金利が上昇すると、新しい債券がより高い金利で発行される可能性があります。これにより、古い債券(低金利で発行されたもの)の価値が相対的に下がります。これは、新しい債券がより魅力的な金利を提供するため、古い債券の価格が下落することを示しています。

逆に、金利が下がると、新しい債券が低い金利で発行される可能性があります。この場合、古い債券(高金利で発行されたもの)の価値が相対的に上がります。投資家は、高金利の古い債券を持っていることで、市場金利よりも有利な条件で利息を受け取ることができます。

具体的な数式で表すと、債券価格=利息収入÷金利 となります。

この式からも分かる通り、金利が上がると債券価格は下がり、金利が下がると債券価格は上がります。この逆の関係が金利と債券価格の基本的な動きを説明しています。

名目利回り(通常の利回り):
債券が発行されたときに約束された利率。例えば、債券の契約利率が5%なら、これが名目利回りです。

インフレーション率:
お金の価値が下がり、物価が上がる割合。例えば、1年間で物価が3%上昇するなら、その年のインフレーション率は3%です。

実質利回り:
投資家が債券を持っている間に、名目利回りから物価上昇(インフレーション)を差し引いた利回り。実際に手に入る購買力の変化を示します。
例を挙げてみましょう:

名目利回り: 5%
インフレーション率: 3%
実質利回り: 2%

これは、投資家が債券から得る利回りが、名目の利率5%あっても、物価上昇分(3%)を考慮すると、実際の購買力が2%しか増えていないことを示しています。名目利回りが高くても、それを上回るインフレーションがあると、投資家が実際に得る利益は減少します。